リコー、AWS生成AIで文書処理を大幅に効率化
2026年3月4日 (水)
- •リコーはAWSのGenAI IDPアクセラレーターを活用し、顧客の導入期間を数週間から数日へと大幅に短縮した。
- •新しいサーバーレスフレームワークの導入により、デプロイあたりの手動エンジニアリング時間を90%削減した。
- •Human-in-the-loop(HITL)検証を組み合わせた自動化システムにより、月間7万件の文書を99%の精度で処理している。
グローバルテクノロジーリーダーであるリコー(Ricoh USA)は、従来の個別対応による手動エンジニアリングから標準化されたAIフレームワークへと移行し、文書量の多いヘルスケア分野のワークフローの近代化に成功した。AWS GenAI Intelligent Document Processing (IDP) Acceleratorを活用して構築されたマルチテナントソリューションは、自動分類と構造化データの抽出を組み合わせたものである。これにより、以前は新規クライアントごとに数週間のカスタム開発や微調整を必要としていた大きなボトルネックが解消された。
システムの中核には、画像をテキスト化するOCR技術であるAmazon Textractと、大規模データで学習されたAIシステムである基盤モデルへアクセスするためのAmazon Bedrockが活用されている。このハイブリッドなアプローチにより、リコーはレイアウトが多岐にわたる臨床記録や保険請求といった複雑な文書を効率的に処理できるようになった。また、高い精度を維持するためにHuman-in-the-loop(HITL)戦略を採用しており、AIが生成した信頼スコアに基づいて専門家による手動確認が必要かどうかを判断している。
効率化に加え、HIPAAやHITRUSTといった厳格なヘルスケア・コンプライアンス基準への準拠も優先されている。サーバーレスアーキテクチャの採用により、リコーは実際に使用した計算リソースに対してのみ料金を支払うことになり、文書量の変動に合わせたコスト効率の良いスケーリングが可能となった。この変革はエンジニアリング工数を90%以上削減しただけでなく、月間の処理能力を今後7倍に引き上げるための基盤を整えたのである。