マイクロソフト、AIによる電力網近代化を加速
2026年2月18日 (水)
- •ITと運用技術(OT)のデータを統合し、公益事業におけるAI活用を試験運用から本格的な実用段階へ移行させる。
- •DragosやGE Vernovaとの新たな提携により、自律的なAIエージェントを電力網のセキュリティや運用プロセスに統合する。
- •Human-in-the-loop(HITL)モデルの採用により、重要インフラの自動化プロセスにおいて専門家による監視と安全性を確保する。
DTECH 2026において、マイクロソフトは公益事業セクターにおける戦略的なパラダイムシフトを強調した。それは、従来の実験的なAIパイロット運用を脱却し、拡張性の高い生産レベルのシステムへと移行することである。現代の電力網が直面する最大の課題は、電力需要の増大と電化の進展に伴う負荷の変動だ。そこで情報技術(IT)と運用技術(OT)のデータを一元化し、電気自動車や分散型エネルギー資源からの双方向の潮流を最適化する「リアルタイム・グリッド」の構築を目指している。
また、AIエージェントが計画策定から現場での実行に至る多段階のワークフローを自律的に処理する「エージェンティック・オペレーション」への転換も注目を集めた。これらのシステムは、Human-in-the-loop(HITL)モデルに基づいて設計されている。これにより、AIが最適な選択肢を提示しその根拠を説明しつつも、安全性が極めて重要な意思決定は常に人間のオペレーターの管理下に置かれる。この仕組みが、規制の厳しいエネルギー産業において不可欠な透明性と追跡可能性をもたらすのである。
さらに、具体的な連携も進んでいる。DragosやGE Vernovaといった企業との提携により、OTの脅威インテリジェンスやデータ基盤がMicrosoft Azure上に直接統合された。この統合によって、公益企業は単純な予測分析の枠を超え、わずか数分で能動的な対策を実行できるようになり、設備故障やサイバー攻撃に対するレジリエンスが大幅に向上する。こうした取り組みの最終的な目標は、次世代の電力網近代化を支える、統制された安全なデータ基盤を確立することにある。