Wayfair、OpenAIの自律型AIで小売業務を効率化
2026年3月15日 (日)
- •OpenAI搭載のエージェンティックAIを活用し、月間4万1,000件のサプライヤー支援チケットを自動化。
- •商品属性タグの付与を従来の70倍に加速させ、カタログ内の250万件のタグを修正。
- •自律型システム「Wilma」を導入し、サポート業務を有人支援から完全自動の「オートパイロット」へと移行。
家具小売大手のWayfairは、単なるAIの実験段階を脱し、OpenAIの最先端モデルをグローバルな小売インフラの中核へと直接組み込み始めている。同社が現在取り組んでいるのは、3,000万点に及ぶ膨大な商品カタログのデータ整合性維持と、日々寄せられる複雑なサプライヤー支援リクエストへの対応という、スケーリングにおける2つの大きな課題だ。
カタログ管理のボトルネックを解消するため、Wayfairは「定義エージェント」を備えたタグに依存しないアーキテクチャを開発した。このシステムは、ウェブや社内データベースの情報を統合することで、素材やスタイルといった商品属性の文脈的な意味を学習・符号化する。その結果、新しい属性の展開スピードは従来の70倍に向上し、これまでに250万件ものタグ修正を完了させたという。
運用面においては、エージェンティックAI(自律型AI)の「Wilma」がサプライヤーとのやり取りを劇的に変容させた。従来の単純なチケット振り分けにとどまらず、半自律的な問題解決へと進化を遂げたのである。具体的には、AIの提案が人間の判断と一致する頻度を示す「アライメント率」を追跡し、精度の高いワークフローを「副操縦士(コパイロット)」から「自動操縦(オートパイロット)」へと順次移行させている。
現在、1,200人以上の従業員がChatGPT Enterpriseを活用しており、今後はテキストと画像の両方を理解するマルチモーダルシステムの導入も計画している。これは、言葉で説明しにくい商品を顧客が直感的に見つけられるようにするための戦略的な布石だ。こうした取り組みは、大企業がいかにして生成AIを単なる目新しさから、実利的な業務効率化へと昇華させているかを如実に物語っている。