米国防省、自律型ドローン戦術への転換が急務
- •自律型ドローンの群れとネットワーク化されたシステムが主導する、新たな紛争の時代「第六のドメイン」が定義された。
- •ウクライナの「クモの巣」作戦において、150機の自律型ドローンを用いたロシアの戦略資産への攻撃が成功した。
- •レオニダス(Leonidas)プラットフォームは、高出力マイクロ波を用いてドローン群全体を無力化する。
米軍は今、従来の物理的境界を超えた「第六のドメイン」へと戦場が進化する中で、深刻なパラダイムシフトに直面している。このドメインは大量生産された自律型システムによって特徴づけられ、陸海空といった地理的な区分ではなく、非対称な「フィジカル・サイバー」の脅威として定義される。安価な民生用電子機器をネットワーク化することで、数百万ドル規模の従来型兵器を無力化できる点が最大の特徴だ。
この教義(ドクトリン)の緊急性は、近年の紛争においてAI搭載ドローンの群れが、圧倒的な数で高度な防空システムを突破した事実が物語っている。これに伴い、一対一の防御から「一対多」の広域防衛アーキテクチャへの転換が不可欠となった。そこでは、人間が戦略・倫理的な判断を下し、機械が高速な意思決定を担う「ケンタウルス戦(Centaur warfare)」、すなわち人間と機械の協調体制が重要な役割を果たすことになる。
こうした脅威に対抗するため、高出力マイクロ波(HPM)のような新技術が国防において不可欠な要素となっている。例えばレオニダス(Leonidas)のようなプラットフォームは、物理的な弾丸ではなく電磁干渉(EMI)を利用し、精密な電気系統を過負荷にすることでドローンの群れを無力化する。この手法は一発あたりのコストが極めて低く、戦術ドローンを年間数百万機も生産可能な敵対勢力に対抗するための、持続的な攻撃能力を提供する。
この新たな教義の採用には、軍の専門組織の新設や「ネオ・プライム」と呼ばれる新興防衛企業の台頭など、根本的な構造改革が求められる。これらの企業は、急速な技術進化に追従すべく迅速なプロトタイピングとユーザー中心の設計を重視している。第六のドメインでの優位性を確保できなければ世界の地政学的な勢力図が塗り替えられる可能性があり、自律型兵器を巡る覇権争いは、20世紀における核開発に匹敵する重要性を持っている。