Tennr、音声AIで患者紹介業務を自動化
2026年3月2日 (月)
- •Tennrが音声AIを統合し、日常的な診療電話や保険確認の自動化を実現
- •独自のRaeLMモデルを活用し、150の組織で月間1000万件の医療文書を処理
- •シリーズCで1億100万ドルを調達し、新たな経営陣のもとで事業規模を拡大
医療現場の「ブラックホール」とも称される、煩雑で断片的な患者紹介プロセスの解消にTennrが乗り出した。これまで、かかりつけ医と専門医の間で交わされる文書のやり取りは、多くの事務的な停滞を引き起こす要因となっていた。同社はプラットフォームに自動音声機能を直接組み込むことで、こうしたボトルネックを根本から解消しようとしている。
このシステムの中核を担うのが、医療分野に特化して設計された独自の視覚言語モデル「RaeLM」だ。乱雑なレイアウトの医療フォームに苦戦する一般的なモデルとは異なり、RaeLMは1億件を超える匿名化文書で学習されている。その結果、手書きの診療記録やファックス、複雑な保険書類の項目などを極めて高い精度で「読み取り」、即座に実用的なデジタルデータへと変換する能力を獲得した。
新たに導入された音声AI機能は、業務サイクルの完全自動化に向けた戦略的な一手といえる。単に不足している情報を特定するにとどまらず、システムが自律的に患者や保険会社へ電話をかけ、必要な情報を収集することが可能になった。同社のCEOを務めるトレイ・ホルターマン(Trey Holterman)は、音声技術の真の価値は既存のワークフローへの深い統合にあると指摘する。これにより、現場のスタッフは繰り返しの電話対応から解放され、より本質的な患者ケアに注力できるようになるのだ。