サイエンス・コーポレーション、網膜インプラント開発で2.3億ドルを調達
2026年3月5日 (木)
- •サイエンス・コーポレーションが、網膜インプラント「PRIMA」の商用化に向け、シリーズCで2億3,000万ドルを調達した。
- •ワイヤレス・インプラント・システムを用いた臨床試験にて、加齢黄斑変性患者の中心視力を回復させることに成功。
- •出資にはKhosla VenturesやY Combinatorのほか、CIAの投資部門であるIQTが参加している。
神経工学のスタートアップであるサイエンス・コーポレーション(Science Corporation)は、網膜インプラント「PRIMA」の商用化を加速させるため、シリーズCラウンドで2億3,000万ドルの資金を調達した。Khosla Venturesや、米情報機関の投資部門であるIQTといった有力な投資家が支援するこの巨額の資金注入により、同社の累計調達額は約4億9,000万ドルに達している。2021年にマックス・ホダック(Max Hodak)(起業家、Neuralink共同創設者)によって設立された同社は、急成長するブレイン・コンピュータ・インターフェースや神経義肢の分野において、今や先導的な地位を築きつつある。
同社の中核技術は、中心視力の永久的な喪失を招く加齢黄斑変性の進行段階である「地図状萎縮」の解決を目指すものだ。PRIMAシステムは、高度なハードウェアの連携によって視力を補完する。具体的には、専用の眼鏡が、網膜の下に埋め込まれたワイヤレスチップに近赤外線の光パターンを投影する仕組みだ。このチップが光を電気信号へと変換し、損傷した視細胞を介さずに視神経を直接刺激することで、視覚知覚の回復を可能にしている。
臨床試験の結果は極めて有望であり、12カ月間にわたって視力の顕著な改善が示された。サイエンス・コーポレーションは今年後半に予定されている欧州での商用展開に向けて準備を進める一方で、米食品医薬品局(FDA)とも米国内での承認取得に向けた緊密な調整を続けている。今回の資金調達の成功は、高度な専門性を要するニューロテクノロジー分野への投資家の信頼が高まっていることを象徴しており、長年の医療課題を解決する可能性を強く印象づけている。