サンディエゴ郡、非緊急通報にAI音声エージェントを導入
2026年3月13日 (金)
- •サンディエゴ郡保安官事務所(SDSO)が、年間40万件の非緊急通報を処理するAI音声エージェントを導入した。
- •Hyper社の技術により、10分間に及ぶ待ち時間を解消し、日常的な警察報告の作成を自動化する。
- •AIが緊急性の低い問い合わせを優先順位付けすることで、人間の通信指令員は911番の緊急事態に専念できる。
サンディエゴ郡保安官事務所(SDSO)は、これまで911番の通信指令員が対応していた膨大な非緊急通報を管理するため、特化したAIシステムを正式に統合した。郵便物の盗難報告から武器所持許可の申請まで、年間約40万件の問い合わせを自動化することで、非緊急の通報者を悩ませてきた5分から10分の慢性的な待ち時間を解消することを目指している。実際に、この導入は事務作業に追われていた人間のオペレーターにとって、公共安全における大きなボトルネックを解消する足がかりとなる。
このシステムは、Hyper社が開発した高度な対話型AIエージェントを活用し、住民とのやり取りを行うデジタル・ゲートキーパーとして機能する。従来の自動音声メニューとは異なり、このツールは通報の内容を理解し、問題の深刻度に基づいてキュー内の優先順位を判断する「優先順位付け」が可能だ。このような機能により、人命に関わる緊急事態には必ず人間が介在しつつも、スタッフの日常的な事務負担を大幅に軽減することに成功している。
サンディエゴのこの動きは、トロントやワシントン州など、公共安全インフラの近代化を図る自治体間の広がりに続くものである。最大の目的は通信指令員の貴重な時間を確保することにあり、定型業務を自動アシスタントに任せることで、一分一秒を争う911番通報に対して人間が即座に対応できる体制を整える。こうした変化は、民間セクターの顧客サービスのような効率性を目指す、より広範な「対住民行政サービス(Government-to-Resident)」モデルへの移行を象徴している。