サムスンとb.well、患者記録のデジタル化で提携
2026年3月10日 (火)
- •サムスンとb.wellが、Galaxyスマートフォンのエコシステムに全患者の病歴を統合する。
- •対話型AI「bailey」が、複雑な医学用語の翻訳や長期的な健康トレンドの可視化を実現する。
- •この提携は、紙の問診票を廃止するCMSの「kill the clipboard」という目標を支援する。
サムスン電子とb.well Connected HealthはHIMSS26において、従来の紙による管理をモバイル中心の健康管理へと移行させるための提携を発表した。Samsung Healthアプリに長期的な診療記録を統合することで、Galaxyユーザーは自身の全臨床歴をデバイスで持ち歩き、QRコードを通じて医療提供者と簡単に共有できるようになる。このシステムは、数百万の医療機関からの臨床データとウェアラブル端末のリアルタイム指標を融合させ、患者の健康状態を包括的に把握する仕組みを構築した。
特筆すべきは、パーソナル・ヘルス・ナビゲーターとして機能する対話型AIアシスタント「bailey」の導入である。baileyは患者が自身の診療記録について質問することを可能にし、難解な専門用語をわかりやすい言葉に翻訳するほか、血糖値などの長期的なデータトレンドを可視化する役割を担う。また、b.wellはOpenAIとも協力し、診療記録を特化したAIモデルと連携させている。これにより、一般的なデータセットではなく、個人の特定履歴に基づいた最適な医療知見を提供することが可能になった。
この取り組みは、メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)が主導する連邦政府の「kill the clipboard(クリップボード撲滅)」運動に呼応するものだ。FHIRなどの相互運用性規格を採用することで、複数のヘルスケアポータルのログイン管理に疲弊する「ポータライティス(ポータル疲れ)」の解消を目指している。セキュリティが確保され、本人確認がなされた医療データが患者とともにシームレスに移動する未来を実現することで、医師と個人の双方における事務的負担を大幅に軽減するのが狙いだ。