フィラデルフィア、路面電車を妨害する車両をAIカメラで取り締まり
2026年2月27日 (金)
- •SEPTAが30台の路面電車にAIカメラを搭載し、違法駐車の自動取り締まりを開始する
- •路面電車のレーンや停留所を妨害した車両に対し、2026年4月1日から51ドルの罰金を科す
- •Hayden AIの技術を活用し、ナンバープレートの特定とデータ送信をクラウド経由で実施する
「兄弟愛の街」として知られるフィラデルフィアは、路面電車レーンへの違法駐車という長年の課題を解決するため、コンピュータビジョンの導入に踏み切った。ペンシルベニア州南東部交通局(SEPTA)は来週から、30台の路面電車にAI搭載型カメラシステムを配備し、軌道を塞ぐ車両や乗客の乗降を妨げる車両を自動的に特定する。この取り組みは、フロントガラスに取り付けられたカメラがわずか70日間で3万6000件以上の違反を記録した実証実験の成功を受けて決定された。
一般的に路線バスは二重駐車された車両を回避できるが、路面電車は固定されたレール上を走行するため、たった1台の違法駐車が数千人の通勤客の足を止めてしまう。Hayden AIが開発したこの自動システムは、高度なアルゴリズムを用いて、走行中の交通車両と駐車中の障害物を正確に判別するのが特徴だ。違反が検知されると、システムは即座にナンバープレートを撮影し、その位置データをフィラデルフィア駐車管理局(PPA)へ直接送信して処理を行う仕組みである。
市当局は、この施策が単なる利便性の向上にとどまらず、交通の公平性を確保するための重要なステップであると強調している。実際にフィラデルフィアの貧困世帯の約半数が公共交通機関のみに依存しており、信頼性の高い路面電車の運行は経済的機会を得るために不可欠だ。取り締まりを効率化することで、市は現在、渋滞や遅延によって発生している年間1540万ドルの運営コスト削減を目指している。