米国防総省、AI脅威に対抗しサイバー訓練を刷新
2026年2月10日 (火)
- •国防総省高官は、敵対勢力のAI活用がサイバー戦の戦術と行動を根本から変えていると警告した。
- •「サイバー軍 2.0」構想により、サイバー兵士の育成スピードと人材管理の近代化を推進する。
- •97項目の取り組みとパイロットプログラムを通じ、革新的なキャリアパスの構築を目指す。
米国防副次官補(サイバー政策担当)を務めるキャサリン・サットン(Katherine Sutton)氏は、外国の敵対勢力によるAIの急速な導入が、デジタル戦場のあり方を一変させていると指摘した。従来の軍事訓練モデルはその進行の遅さから、もはやドメインの変化速度に追いつけないとの批判にさらされている。この危機感に基づき、国防総省は「サイバー軍 2.0(Cyber Command 2.0)」の展開を開始した。これは、部隊の編成や展開のプロセスであるフォースジェネレーションと、人材管理の戦略を抜本的に見直す野心的な試みである。
この構想は、高度なスキルを持つオペレーターが専門的な役割から頻繁に離脱し、組織的な知見が失われるという長年の課題解決を目的としている。サイバー兵士の採用と維持の方法を再定義することで、変化する脅威に即応できる深い専門性を備えた人材層を厚くすることを目指す。計画には約100項目に及ぶ具体的な実施項目が含まれており、初期訓練と実戦における作戦テンポの乖離を埋める設計となっている。
こうした変化を単なる官僚的な手続きに終わらせないよう、国防総省は新しいキャリアパスやインセンティブ構造を検証するパイロットプログラムも始動させた。これにより、部隊全体に拡大する前に、労働力モデルの迅速な試行と改善が可能になる。将来の紛争においてサイバー能力の重要性が増す中、国防総省はこれらの構造改革が、AI主導の脅威に対抗するために必要な技術的優位性をもたらすと確信している。