オハイオ州、AIとクラウドで行政サービスを刷新
2026年4月1日 (水)
- •オハイオ州がAI評議会を設立し、州政府機関における92件の生成AI活用事例を承認した。
- •1万人以上の州職員が、InnovateUSプログラムとサンドボックス環境を通じてAI研修を修了した。
- •州指導部は、住民向けサービスの現代化に向け、安全なデジタルIDとクラウド移行を最優先事項としている。
オハイオ州の最高情報責任者(CIO)を務めるカトリーナ・フローリー(Katrina Flory)は、行政ワークフローへのAI統合を軸とした包括的なデジタルトランスフォーメーションを主導している。この取り組みの中核を担うのが、新たに設立された「AI評議会」である。同評議会はガバナンス機関として機能し、各政府機関が提案するAIの活用事例を本番環境へ導入する前に審査・承認する。現在、92件の事例が認可されており、その多くは各部門の業務効率化や生産性向上を目的とした内部ツールに焦点を当てている。
こうした技術的転換を支えるため、同州は「InnovateUS」というカリキュラムを通じて人的資本の強化に注力し、これまでに1万人以上の職員に対してAIの責任ある利用に関する研修を実施した。この教育枠組みには安全なサンドボックス環境が含まれており、職員は州の機密データを危険にさらすことなく最新ツールを試行できる。また、「魚の釣り方を教える」という哲学はクラウド移行にも反映されており、各機関は州が策定したプレイブックやベンダーとの提携を活用し、自らのアプリケーション・ポートフォリオを自律的に現代化することが可能となっている。
内部の効率化にとどまらず、オハイオ州は「InnovateOhio」プラットフォームや「OHID」を通じて住民向けのデジタルインターフェースも進化させている。OHIDは、納税や免許更新などのサービスのために800万人もの市民が利用する安全な身元確認システムである。AIをサイバーセキュリティツールに組み込み、データガバナンスを標準化することで、オハイオ州はイノベーションと公衆の信頼を両立させた、強靭で利用者中心の政府エコシステムの構築を目指している。