モンゴル、AIと衛星技術で国家デジタル化を加速
2026年3月17日 (火)
- •モンゴルの国家戦略「ビジョン2050」は、AIとビッグデータを活用して農業と公共行政の近代化を推進している。
- •国家統計局(NSO)は、ランダムフォレスト・アルゴリズムと衛星画像を組み合わせ、農作物の収穫量推定を自動化した。
- •パイロットプログラムでは、コンピュータービジョンを用いて放牧中の家畜を映像からカウントし、高い精度を達成している。
モンゴルは国家戦略「ビジョン2050」を通じて急速なデジタル変革を遂げており、今世紀半ばまでに地域のテックリーダーへと進化することを目指している。この構想は、人間中心のデジタル政府を構築することで、従来の鉱業に依存した経済構造から脱却し、多角化を図るものだ。その中心的な役割を果たす国家統計局(NSO)は、手動のデータ収集から、データを国家の戦略的資産として扱う高度なデジタルシステムへの移行を急いでいる。
AIの統合は、特にモンゴルの基幹産業である農業セクターに大きな変革をもたらしている。NSOは国連グローバルプラットフォームと協力し、衛星を通じて地球を観測するリモートセンシング技術を導入して、農作物の分類作業を自動化した。具体的には、スペクトラルアングルマッパー(SAM)と呼ばれる手法を用いて、画像から小麦やジャガイモなどの特定の作物を識別している。収集されたデータは、複数の決定木を利用する機械学習手法であるランダムフォレスト・アルゴリズムによって処理され、正確な収穫量推定が可能となった。
農作物だけでなく、モンゴルはコンピュータービジョンを活用した家畜管理の先駆的な試みも展開している。最近のパイロットプログラムでは、放牧中の羊やヤギをビデオ映像から直接カウントするAIが活用された。ドローンの導入コストや専門人材の不足といった課題は依然として残るものの、同国は国内の才能育成に多額の投資を行っている。こうした技術向上への強いコミットメントにより、モンゴルはオープンデータ・インベントリ(ODIN)のランキングで世界11位にランクインする快挙を成し遂げた。