マイクロソフト、医療AI「Dragon Copilot」を大幅拡張
2026年3月5日 (木)
- •マイクロソフトがDragon CopilotとMicrosoft 365を統合し、臨床データと管理データを一元化
- •58言語対応の環境会話キャプチャと看護フローシートの自動ドキュメント作成を導入
- •PowerScribe One向けに放射線科専用のAIワークフローを公開し、定型レポート作成を自動化
マイクロソフトは、医療従事者向けのインテリジェンス・ハブとしてDragon Copilotの機能を大幅に拡張した。臨床データと管理業務のコンテキストを橋渡しすることで、このアシスタントは患者の記録とともに、メールやカレンダーからの情報を統合的に表示できるようになった。この統合の狙いは、複数のソフトウェアを切り替える際に発生する「トグル税(toggle tax)」と呼ばれる時間的損失を軽減することにある。これにより、臨床医は画面操作に追われることなく、患者との対話に真に集中できる環境が整った。
今回のアップデートにより、診察中のやり取りを記録する「環境会話キャプチャ」が高度な進化を遂げた。この技術は現在58言語をサポートしており、医師と患者の対話を構造化された臨床ノートへと自動的に変換する。看護スタッフ向けには、単なるメモの記録を超え、複雑な看護フローシートや医療用ライン、ドレーンの追跡管理まで自動化された。こうした反復的なタスクをAIが肩代わりすることで、バーンアウト(燃え尽き症候群)の一因となる過度な認知的負担の解消を目指している。
さらに、マイクロソフトはAIマーケットプレイスを通じてエコシステムを開放し、外部の開発者が専門的なツールをワークフローにプラグインできるようにした。提供されるアプリは、収益サイクル管理や臨床意思決定支援といった特定のニーズに対応する。放射線科医に対しては、過去のレポートの確認や下書き作成を自動化する新機能が導入された。これにより、AIによる支援が各医療専門分野の固有の要件に合わせて最適化されている。