Meta AI、脳活動予測モデル「TRIBE v2」を発表
2026年3月27日 (金)
- •Meta AIが、ビデオ、オーディオ、テキストからヒトの脳活動を予測するトライモーダルモデル「TRIBE v2」を発表した。
- •1,000時間以上のfMRIデータを学習し、未知の刺激や被験者に対しても高い精度で神経反応を予測することに成功した。
- •仮想環境で数十年にわたる実証研究の結果を再現し、デジタル環境での神経科学実験(イン・シリコ)を可能にした。
Meta AIの研究チームは、人工知能とヒトの神経科学の架け橋となる洗練された基盤モデル「TRIBE v2」を発表した。ビデオ、オーディオ、言語という3つの異なるデータストリームを統合することで、このトライモーダルシステムは、さまざまな刺激に対してヒトの脳がどのように反応するかを、これまでにない精度で予測できるようになった。
このモデルは、血流の変化から脳活動を測定するfMRIのスキャンデータ1,000時間分以上を含む、大規模な統一データセットで学習されている。720人の異なる被験者からのデータを分析することで、TRIBE v2は新しいタスクや個人に対しても脳のパターンを一般化して捉える能力を獲得しており、従来の神経反応マッピングに用いられてきた数理モデルを大幅に上回る性能を実現した。
特筆すべきは、このシステムがコンピュータシミュレーション内のみで実験を行う「イン・シリコ」の神経科学を促進する点である。実際に、TRIBE v2は、脳が複雑な言語や視覚シーンをどのように処理するかといった、数十年にわたる生物学的研究による古典的な知見を再現することに成功した。このヒトの認知機能のデジタルツインは、五感が情報を統合する際の微細な地形学的構造を探究するための強力なツールとなるだろう。
AIを脳研究のための統一的な枠組みへと変えることで、Metaは断片的なモデルを超え、ヒトの認知に関する包括的な理解を目指している。今回の研究は、現代のAIアーキテクチャが、ヒトの脳自体の機能的組織とますます一致しつつあることを示唆しており、人工知能と神経科学のさらなる融合が期待される。