Meta AI、世界規模の高精度な森林地図を公開
2026年3月10日 (火)
- •Meta AIがDINOv3を基盤とした森林の高さ地図「CHMv2」をリリース
- •モデルの精度が劇的に向上し、決定係数(R²)が0.53から0.86へと上昇
- •世界資源研究所と連携し、保全活動を支援するためツールをオープンソース化
Meta AIは、世界資源研究所(World Resources Institute)と共同で開発した、高解像度のグローバル森林モニタリングを実現する「Canopy Height Maps v2 (CHMv2)」を発表した。以前のバックボーンを自己教師あり学習モデルである「DINOv3」へと刷新したことで、描写の細部が飛躍的に向上している。この新バージョンにより、研究者は地球全体の個々の樹冠や隙間、森林の縁までも鮮明に識別できるようになり、地球の「緑の肺」を驚くべき透明度で観察することが可能となった。
技術的な進歩は、統計的な予測精度を示す決定係数(R²)が0.53から0.86へと改善されたことに明確に表れている。この成果は、4億9,300万枚の衛星画像からなる巨大データセット「SAT-493M」を用いてDINOv3を訓練したことで達成された。本モデルは、人手による膨大なラベル付けを必要とせずに影や質感などの視覚的特徴を自律的に学習する「自己教師あり学習」を採用している。これにより、炭素貯蔵量や森林の健康状態を追跡するためのシステムは、より拡張性が高く、信頼性の高いものへと進化した。
実用化の動きはすでに広がっており、米国の都市部における冷却対策から、2030年までに30億本の木を植えるというEUのイニシアチブの支援まで多岐にわたる。英国の森林調査局(Forest Research)では、これらの地図を国家森林目録のより効果的な管理に役立てている。Meta AIはモデルと地図をオープンソース化することで、各国政府や保護活動家がデータに基づいた土地管理の決定を行い、気候変動に対処するための重要なリソースを提供することを目指している。