AI著作権の枠組みと連邦最高裁の衝撃
2026年4月2日 (木)
- •連邦最高裁、度重なる通知にもかかわらずユーザーの侵害行為に対するCoxの責任を否定。
- •提案された「TRUMP AMERICA AI法」、AIモデル学習をフェアユースの保護対象から明示的に除外。
- •米国著作権局、手数料の引き上げとクリエイター向けのサブスクリプション型登録モデルを提案。
2026年3月は、知的財産権と人工知能が交差する歴史的な転換点となった。米連邦最高裁が「Sony対Cox事件」において、インターネットサービスプロバイダーの寄与責任の範囲を狭める全員一致の判決を下したことで、法的状況は劇的に変化した。侵害を誘導する明確な意図の証明を求めたこの判決は、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)の執行力を弱める恐れがあり、クリエイティブ業界団体からは激しい批判が上がっている。
一方で、連邦政府は対立する立法ビジョンを通じて、AI政策の公式化へと動いている。マーシャ・ブラックバーン(Marsha Blackburn)上院議員が提案した「TRUMP AMERICA AI法」は、著作権物を用いたAIモデルの学習をフェアユースの対象外とする厳格な境界線を提示した。フェアユースとは、許可なく保護された著作物を限定的に使用できる法理を指す。これは、司法による紛争解決に委ねつつ、議会に一括補償のためのライセンス制度構築を促すトランプ政権の広範な枠組みとは対照的なアプローチだ。
こうした高レベルの法廷闘争の裏側で、米国著作権局は現代の需要に応えるべく、自らの業務刷新を模索している。新たな提案には、登録手数料の大幅な引き上げに加え、一部の簡素化された申請オプションの廃止が盛り込まれた。ただし、組織規模に応じた段階的な料金体系やサブスクリプションモデルの導入も検討されており、自動化が進む法務環境において、小規模なアーティストの参入障壁を低減できる可能性がある点は明るい材料と言える。