ケンタッキー州、AIによる単独の心理療法を禁止
2026年2月24日 (火)
- •ケンタッキー州の下院法案455号は、有資格の人間による監督なしにAIが単独で治療上の決定を下すことを禁止している。
- •セラピストはAIの使用を患者に開示し、治療に導入する前に明確な同意を得なければならない。
- •この立法は、適切な規制のない「セラピーボット」が有害なメンタルヘルスのアドバイスを提供することを防ぐのが狙いだ。
ケンタッキー州下院は、自動化されたメンタルヘルスケアを巡る議論に決定的な一石を投じる「下院法案455(HB 455)」を可決した。この法律は、有資格の専門家が事前に内容を審査しない限り、AIモデルが治療の推奨事項や計画を作成することを禁じている。事務作業へのAI活用は引き続き認められているものの、この法案は「直接的なセラピー」との間に明確な境界線を引き、臨床現場での関係性が人間同士のものであることを保証するものだ。
法案の提出者であるキム・バンタ(Kim Banta)州下院議員は、患者の安全を確保するために不可欠な批判的判断を、テクノロジーで代替することはできないと強調した。この動きは、危機的状況にある利用者に対し、過去に危険なアドバイスを提供した事例がある「セラピーボット」への全米規模の懸念を反映したものである。患者の同意と透明性を義務付けることで、共感や倫理的責任を欠いたアルゴリズムに感情労働を安易に委ねる事態を防ぐ狙いがある。
一方で批判的な立場からは、こうした規制がイノベーションを阻害し、メンタルヘルスへのアクセス改善に向けた市場主導の解決策を制限するとの声も上がっている。しかし、リサ・ウィルナー(Lisa Willner)州下院議員ら推進派は、AIシステムが自傷行為を助長した事例を指摘する。法案は今後、州上院へと送られるが、これは急速なAI導入と、高度な倫理観が求められる対人サービスの保護との間で激化する法的摩擦を象徴している。