HIMSS26:医療AIの最前線、革新的ソリューションが登場
2026年3月11日 (水)
- •SamsungとVerilyがウェアラブル端末のデータと分析プラットフォームを統合し、臨床研究とエビデンス創出を加速させる。
- •Meditechが電子カルテ機能を拡張し、アンビエント・インテリジェンスによる診察記録の自動生成やAIアシスタントを導入した。
- •RingCentralが、患者の予約管理や保険確認を自律的に行う音声プラットフォーム「AIR Pro」を発表した。
ラスベガスで開催された「HIMSS26」カンファレンスは、AIがいかに急速に臨床現場のワークフローへ統合されているかを示す舞台となった。特に注目を集めたのは、SamsungとVerily(Alphabet傘下のライフサイエンス企業)による戦略的提携である。Galaxy Watch 8のセンサーとVerilyの精密医療プラットフォームを組み合わせることで、研究者は高精度なウェアラブルデータと長期的な診療記録に同時にアクセスできるようになった。これにより、従来の臨床試験よりもはるかに効率的なモニタリングとエビデンスの構築が可能になる。
Meditechは、モバイルアプリケーションにアンビエント・インテリジェンスを直接組み込むことで、これまでの限界を打ち破ろうとしている。この技術は診察中の会話をリアルタイムで把握し、臨床メモを自動生成する。その結果、医師の燃え尽き症候群の主な要因である事務作業の負担が劇的に軽減される。さらに、Meditechのスイートには、保険請求の却下に対応するAIエージェントや、患者用ポータルの対話型アシスタントも含まれており、活用の幅はドキュメンテーション以外にも広がっている。
通信分野においても医療特化型AIへのシフトが進んでおり、RingCentralは「AIR Pro」というエージェンティックAI音声プラットフォームを投入した。従来の自動応答システムとは異なり、これらのAIエージェントは保険の適用範囲の確認や予約変更といった複雑な推論を伴うタスクを自律的に遂行する。また、ZoomもAI生成の臨床メモを電子カルテ大手のEpicエコシステムに直接統合するなど、AIが医療インフラの不可欠な構成要素となる「ネイティブ化」が加速している。