Grammarly、権利侵害訴訟を受けAIペルソナ機能を停止
2026年3月15日 (日)
- •有名作家のペルソナを無断使用したとして提訴され、Grammarlyが「Expert Review」機能を停止した。
- •ジャーナリストのジュリア・アングウィン(Julia Angwin)氏が、プライバシー権およびパブリシティ権の侵害を理由に、親会社とされるSuperhumanを相手取った集団訴訟を主導している。
- •作家のスティーヴン・キング(Stephen King)氏などの著名人を模倣しているにもかかわらず、生成されるフィードバックは汎用的で精彩を欠くとの批判が出ている。
Grammarlyは、物議を醸していた「Expert Review」機能の提供を正式に停止した。この機能は、作家のスティーヴン・キング(Stephen King)氏や科学者のカール・セーガン(Carl Sagan)氏といった著名人の独特な編集スタイルをAIで模倣し、ユーザーに自動フィードバックを提供する上位プラン向けのツールである。今回の急な撤退は、ジャーナリストのジュリア・アングウィン(Julia Angwin)氏が、訴状の中でGrammarlyの親組織として特定されたSuperhumanを相手取り、集団訴訟を提起したことを受けたものである。
この法的争点の中心は、AIシステムの学習やプロンプトにおける氏名や肖像の無断使用であり、プライバシー権およびパブリシティ権の重大な侵害を主張している。存命、あるいは故人の専門家から同意を得ることなく、その批評スタイルを模倣したサービスを提供したことで、同プラットフォームはデジタル複製と知的財産権に関するグレーゾーンに踏み込む形となった。この機能の廃止は、生成AIの能力と個人のクリエイティブなアイデンティティの保護との間で高まる緊張を浮き彫りにしている。
経営陣は専門家を模したフィードバックの価値を強調し続けているが、初期のユーザーレポートからは、マーケティングと実態の乖離が示唆されていた。レビュー担当者によると、AIが生成したペルソナは、模倣対象である作家たちの繊細で輝かしい知性を捉えきれず、汎用的で退屈なコメントを生成することが多かった。この事例は業界にとって重要な転換点となり、同意のないAIペルソナを通じた「借り物の権威」の時代が、今後厳しい法的制限に直面する可能性を示している。