Google、量子計算で中性原子方式を採用
2026年3月25日 (水)
- •Googleが従来の超伝導方式を補完するため、新たに中性原子量子計算を研究ロードマップに統合。
- •中性原子方式は、超伝導量子ビットに比べて空間的な拡張性と量子ビット間の接続性に優れる。
- •量子物理学者のアダム・カウフマン(Adam Kaufman)がGoogleに参画し、コロラド州でのハードウェア開発を指揮する。
Google Quantum AIは、長年の研究ロードマップに中性原子量子計算を組み込み、デュアルプラットフォーム戦略へと舵を切った。同チームは10年以上にわたり、絶対零度近くで動作する微小な電気回路である「超伝導量子ビット」の研究に専念してきた経緯がある。このシステムは演算速度においては極めて優れているものの、真に革新的なAIアプリケーションに必要とされる数百万量子ビット規模への拡張においては、物理的な制約が大きな壁となっていた。
今回導入された中性原子技術は、こうした空間的な限界を直接的に解消するものだ。レーザー光で捕捉された個々の原子を量子ビットとして利用することで、固定されたグリッドよりも柔軟な「全結合(any-to-any connectivity)」が可能になる。この方式は空間次元での拡張が容易であり、現在の配列ですでに1万量子ビットに達しているものもある。Googleは、超伝導の「速度」と原子の「高密度な接続性」という双方の利点を融合させ、エンジニアリング上のブレイクスルーを相互に反映させることを目指している。
この拡張を主導するため、Googleはコロラド大学ボルダー校の物理学者であるアダム・カウフマン(Adam Kaufman)を招聘した。これにより、原子・分子・光学物理学の世界的な拠点であるコロラド州ボルダーに新たなハードウェア開発拠点が置かれることとなった。このプログラムは、量子誤り訂正の完成、大規模計算リソースを用いたシミュレーション、そして原子量子ビットを産業規模で制御するために不可欠なレーザーや真空システムの開発という3つの柱に焦点を当てていく。