LA統一学区、AIボット契約失敗でFBIが家宅捜索
- •FBIがLA学区教育長の自宅を捜索、600万ドルのAIチャットボット契約を巡る疑惑を調査
- •不透明な資金の流れと、破産したスタートアップ企業AllHereと学区幹部の癒着に焦点
- •投資家への詐欺容疑でAllHere創設者が起訴され、野心的なAIプロジェクトは完全に崩壊
教育テクノロジーの導入を巡る「光と影」が、衝撃的な形で露呈した。今週、FBI(連邦捜査局)はロサンゼルス統一学区(LAUSD)の教育長、アルベルト・カルバリョ(Alberto Carvalho)氏の自宅と事務所へ家宅捜索に入った。捜査の焦点は、現在は破綻しているAIスタートアップ企業「AllHere」と結んだ、600万ドル規模の不透明な契約にある。同社は「Ed」と名付けられたAIチャットボットを通じ、生徒一人ひとりに合わせた学習支援を自動化すると豪語していたが、2024年初頭の華々しいローンチからわずか数ヶ月で、そのプロジェクトは完全に瓦解したのである。
当局は、資金流用などの財務上の不正に加え、カルバリョ氏と契約の仲介に関わったとされるフロリダのコンサルタント、デブラ・カー(Debra Kerr)氏との密接な公的関係を厳しく追及している。今のところ教育長個人への容疑は確定していないが、AllHereの創設者であるジョアンナ・スミス=グリフィン(Joanna Smith-Griffin)氏が投資家を欺いた詐欺罪ですでに起訴されている事実は重い。この事件は、教育現場がいわゆる「AIゴールドラッシュ」に踊らされ、技術的に未成熟なスタートアップへの巨額投資に踏み切る際のリスクを、改めて浮き彫りにしたといえる。
学区側は「実際に提供されたサービスに対してのみ代金を支払った」と釈明している。しかし、AllHereの倒産によって多くの債権者が取り残され、教育改革の約束も果たされないままとなった。そもそも、企業の安定性や技術的な裏付けを十分に精査せず、安易に最先端技術を導入しようとする公立機関の姿勢にこそ、大きな警鐘を鳴らすべきだろう。押収された膨大な記録の解析が進むなか、個人的な人脈がインフラ不足の企業選定を後押ししたのかどうか、その真相解明が待たれる。