Epic、医療AIエージェント構築プラットフォームを発表
2026年3月10日 (火)
- •エピック・システムズが、医療機関独自のAIエージェントを構築・運用できる「Agent Factory」を導入
- •臨床ツール「Art」や「Penny」が、事務作業の効率化と高い投資対効果を実証
- •匿名化されたカルテで学習し、将来の病状を予測する医療特化型の基盤モデルを開発中
電子カルテの最大手であるエピック・システムズ(Epic Systems)は、AI戦略のさらなる強化に乗り出した。同社は、医療機関が独自のAIエージェントを構築・カスタマイズし、運用するためのプラットフォーム「Agent Factory」を発表した。HIMSS26カンファレンスで披露されたこのサンドボックス環境により、各病院は独自の規定や専門知識を、臨床および運営の自動化ワークフローに直接組み込むことが可能になる。
インフラの提供にとどまらず、同社は専用アシスタントのラインナップも拡充している。臨床アシスタント「Art」は対話機能を備え、医師は診察中に患者の経過について直接質問を投げかけられるようになった。一方、収益サイクル業務を担う「Penny」は、コーディングの否認を減らし、事前承認に要する時間を大幅に短縮している。これらのツールはすでに実用段階にあり、先行導入した組織では退院サマリーの作成を30%高速化し、肺がんの早期発見率で全米平均を20ポイント以上上回る69%を記録した。
今後のロードマップの目玉は、匿名化された実患者の記録で学習させた医療用基盤モデル(Foundation Model)のシリーズ「Curiosity」である。数百万件の病歴パターンを分析することで、将来の診断予測や薬物反応の予見を目指す。すでに顧客の85%以上が同社のAI機能を活用しており、焦点は単なる事務支援から、医療エコシステム全体における具体的な臨床成果と運営効率の追求へと移り変わっている。