米国防総省、AIでミサイル防衛のコスト問題を解決へ
2026年2月6日 (金)
- •ペンタゴンは「ゴールデン・ドーム」ミサイル防衛のコスト削減に向け、AI主導の調達改革を最優先事項に掲げている。
- •新たなAI指揮ネットワークにより、世界中のセンサーと宇宙配備型迎撃ミサイルのリアルタイムな連携を実現する。
- •宇宙軍は、民間技術を統合したミサイル追跡および脅威識別のためのプロトタイプ契約を締結した。
アメリカ国防総省(DoD)は、野心的なミサイル防衛構想「ゴールデン・ドーム(Golden Dome)」が直面する、コスト増大という「手頃さの壁」を打破するためにAIの活用を本格化させている。同プログラムの副ディレクターを務めるマーシア・ホームズ(Marcia Holmes)氏は、AIと自律性の統合はもはや選択肢ではなく、プロジェクト成功のための不可欠な基盤であると強調した。軍がテクノロジーを調達・構築する方法を近代化することで、連邦財政を圧迫することなく、グローバルな防衛シールドを拡大することを目指している。
この戦略の中核を担うのが、最小限の人的介入で複雑かつ重要なタスクを管理できるエージェンティックAI(自律型AI)である。これらのシステムは、陸・海・空、そして宇宙に配備された膨大なセンサー群と迎撃ミサイルをほぼリアルタイムで結びつける、指揮統制(C2)ネットワークの自動化を目的に開発されている。いわば「デジタルの接着剤」として機能するこのシステムは、膨大なデータセットを瞬時に解析し、ミサイルの飛行経路という極めて短い時間の中で、人間の意思決定者に最適な対応オプションを提示する。
戦術的なスピード向上に加え、AIの導入は監視や運用に必要な人員を削減し、長期的な維持コストを大幅に抑える効果も期待されている。この移行には、軍事資産に加えてハイファイ(高忠実度)な民間衛星データを活用することが含まれており、致死性のある兵器と無害なデブリを見分ける「多層的な防御」の構築を可能にする。こうした民間セクターの機敏さを取り入れた高度なプロトタイプ開発への転換は、極超音速兵器などの新たな脅威に対し、米国が戦略的優位性を維持するための重要なステップとなるだろう。