コネチカット州最高裁、AIの「虚偽引用」を審理
2026年3月4日 (水)
- •コネチカット州最高裁判所が、AIによって生成された虚偽の判例引用を含む訴訟の却下を検討している。
- •法律事務所のGLG Lawは、生成AIを用いて作成されたハルシネーション(虚偽情報)を含む準備書面を提出したことを認めた。
- •州および連邦裁判所は、AI支援ツールを使用する弁護士に対し、正確性の確認を義務付ける証明制度の導入を検討中である。
コネチカット州において、テクノロジーと司法が交差する現場が重大な局面を迎えている。州最高裁判所は、AIによる「ハルシネーション」が含まれた判例引用を理由に、ある訴訟を却下すべきかどうかの検討を開始した。発端は賃貸借トラブルに関する訴訟であり、代理人の弁護士が提出した60ページに及ぶ書面の中に、実在しない架空の判例が複数含まれていたのである。AIモデルが事実とは異なる情報を自信たっぷりに提示するこの現象は、今や専門家の責任をめぐる議論の焦点となっている。
引用の誤りを指摘したのは、イェール大学ロースクールに所属するジェローム・N・フランク・リーガル・サービス・オーガニゼーションの学生たちであった。彼らは、捏造された判例を提出することは相手方にとって極めて不公正であり、特に膨大な書類を精査するリソースを持たない相手に対して深刻な不利益を与えると主張している。当事者である法律事務所のGLG Lawは過失を認め、書式の整理にAIを使用した際、確認プロセスをすり抜けて虚偽の内容が混入してしまったと説明した。
この事例は、全米の法曹界で深刻化する「AIによる過失」という新たな潮流を反映している。これを受け、コネチカット州の連邦地方裁判所は、AIを用いた調査によって法を誤認させる書面を提出することを一切認めない「ノー・トレランス(不寛容)」方針を表明した。同時に、州裁判所の各委員会では、弁護士に対し、AIが生成したあらゆる引用の正確性を正式に証明することを義務付けるルールの策定が協議されている。