裁判所、Anthropicへの「供給網リスク」認定を一時差し止め
2026年3月31日 (火)
- •係争中の訴訟において、裁判所は国防総省がAnthropicを「サプライチェーン・リスク」と指定することを阻止した。
- •リタ・リン(Rita Lin)連邦地方判事は、自律型致死兵器への協力拒否を理由とした、言論の自由に対する報復措置であると指摘。
- •本来は敵対国向けの指定が国内企業に適用され、Anthropicの連邦政府案件への参画が危ぶまれていた。
米連邦地方裁判所は、AIスタートアップのAnthropicを「サプライチェーン・リスク」に指定することを禁じる、米国防総省への一時的な差し止め命令を下した。この極めて異例の法的措置は、2億ドル規模の契約をめぐる両者の交渉が決裂した直後に行われた。Anthropic側の主張によれば、大量監視や自律型致死兵器に関連する用途でのAIモデルへの無制限なアクセスを同社が拒否したため、国防総省が制裁的な扱いを試みたという。
リタ・リン(Rita Lin)連邦地方判事は、政府によるこの指定を「合衆国憲法修正第1条(言論の自由)への典型的な報復行為」と批判した。通常、このラベルは敵対的な外国企業に適用されるものであり、米国内の企業に対して恣意的に用いられたことが問題視されている。今回の判決は、契約条件や公共政策において政府と意見が対立したという理由だけで、国内企業に「潜在的な破壊工作員」とのレッテルを貼ることはできないことを強調した格好だ。
この事例は、独自の安全性枠組みを重視するAI開発者と、高度な軍事能力を求める国防機関との間で摩擦が激化している現状を浮き彫りにしている。今回の差し止め命令は一時的なものに過ぎないが、国家安全保障上のラベルを国内の技術提供者に適用する際の重要な判例となるだろう。なお、政府側には決定を不服として控訴するための7日間の猶予が与えられている。