Bridge Data Centres、シンガポールのAIインフラに50億ドル投資
2026年3月16日 (月)
- •Bridge Data CentresがシンガポールのAI対応デジタルインフラ拡張に30億〜50億ドルを投入。
- •世界的な2GW容量目標に向け、先進的な800V HVDC電源と液冷システムを導入予定。
- •水素発電や原子力エネルギーの活用を視野に入れ、持続可能な次世代演算ハブの実現を模索。
シンガポールは、Bridge Data Centres(BDC)による大規模なインフラ投資を通じて、「AI国家」としての野心を一段と加速させている。BDCは最大50億シンガポールドルに及ぶ戦略的投資を行い、同国をアジア太平洋地域における高負荷コンピューティングの主要ハブへと変貌させる計画だ。これは単なるサーバー倉庫の増設ではない。現代の人工知能が要求する極端な熱量と電力消費に対し、データセンターの設計を根本から再定義する試みである。
従来のデータセンターは、大規模AIモデルが求める膨大な電力供給に苦慮してきた。これに対処するため、BDCは最先端の800V HVDC(高圧直流給電)アーキテクチャを採用している。このシステムは高密度サーバーラックへの効率的な送電を可能にし、配電時のエネルギー損失を大幅に削減する。さらに、同社は従来の空冷方式から、より高度な液冷技術への移行も進めている。空気の代わりに液体を用いてハードウェアから直接熱を吸収するこの手法は、シンガポールのような熱帯気候において極めて高い冷却効率を発揮する。
今回の拡張において、持続可能性は核心的な柱となっている。BDCは学術機関や民間パートナーと連携し、洋上水素発電や将来的な原子力利用の可能性を含む「低炭素エネルギー経路」を模索中だ。こうしたグリーン技術とAIによる監視システムを統合することで、データセンターの電力効率を示す指標である電力使用効率(PUE)を過去最低水準まで引き下げることを目指している。この包括的なアプローチにより、技術成長と環境保護の両立を図る狙いだ。