ボストン、全高校生にAI教育を義務化
2026年3月31日 (火)
- •ボストン公立学校(BPS)は、9月までに全高校生を対象としたAI教育を義務化する。
- •起業家のポール・イングリッシュが、教員研修と教材開発のために100万ドルを寄付した。
- •産学官連携によるAI産業諮問委員会を設立し、倫理的な統合とキャリア形成を支援する。
ボストン市は今年の9月から、全米の主要な学区として初めて、包括的なAIリテラシー教育を高校のカリキュラムに導入する。ミシェル・ウー(Michelle Wu)市長らが発表したこの計画は、卒業生全員が人工知能を使いこなし、その出力を批判的に評価できる基礎能力を身に付けることを目的としている。単なる技術的なスキルの習得にとどまらず、将来の学業やキャリアにおける倫理的な影響や実践的な応用方法に重点を置いているのが特徴だ。
この取り組みは、テック系起業家であるポール・イングリッシュ(Paul English)による100万ドルの寄付によって支えられており、強固な官民連携によって推進される。市当局、高等教育機関、そして地元の産業界が連携し、カリキュラムの基準策定や実践的な学習機会の提供を行う。イングリッシュ氏と、投資家のエレン・ルビン(Ellen Rubin)が共同議長を務める「AI産業諮問委員会」も新設され、急速に進化する技術動向に合わせて授業内容を最適化していく。
教育現場での円滑な移行に向け、ボストン公立学校(BPS)は教育者の育成に注力しており、既存の「AIフェロー」グループをさらに拡大させている。教員たちは高度な技術研修を通じて、技術の悪用を防ぎつつ教育効果を最大化するためのガードレール(安全策や規則)を構築する。プライバシーへの懸念に対しても、AIを既存教育の代替ではなく人間の能力を拡張するツールと位置づけることで対応を図る。AIリテラシーを必須能力と捉えるボストンの挑戦は、デジタル格差を解消し、自動化が進む労働市場へ生徒を送り出すための重要な一歩となる。