AWS、生成AIでメインフレーム刷新を加速
2026年2月26日 (木)
- •AWS TransformはAIエージェントを活用し、クラウド移行に向けて複雑なCOBOLアプリケーションをリバースエンジニアリングする。
- •BMWグループは、AWSの確定的解析アプローチを採用することでテスト時間を75%短縮することに成功した。
- •金融大手のFiservは、従来の手作業に比べ、近代化のスケジュールを12か月も前倒しした。
金融や保険業界の基幹を担うCOBOL稼働のメインフレームは、その膨大な複雑さゆえに、近代化は極めてリスクの高い挑戦とされてきた。AWSはこの難題に対し、生成AIを活用して旧来のコードと最新のクラウド環境を橋渡しする「AWS Transform」を投入した。AWSが400社以上の支援実績から得た核心的な知見は、AIが単にソースコードを読み取るだけでは不十分だということである。レガシープログラムは巨大であり、テキスト上には現れないコンパイラ固有の挙動に依存しているからだ。
そこでAWSは、まず確定的解析を用いてシステムの依存関係を詳細にマッピングする手法を採用した。プラットフォームの特性を考慮したコンテキストを構築することで、AIはコードの表面的な記述ではなく、本番環境での実際の動作を反映した精密な技術仕様を生成できるようになった。このプロセスは、厳格な規制下にある金融機関や政府機関に不可欠な「トレーサビリティ(追跡可能性)」を確保する。AIが抽出した全ロジックが元のシステムと紐付けられるため、何も見落としていないことを証明する監査証跡の提供が可能だ。
実際に、自動車大手のBMWグループはテスト時間を75%削減したと報告しており、金融大手のFiservは近代化までの期間を1年以上も短縮した。この戦略は、AIを単なるコーディング補助から、変革を主導する包括的なエージェントへと進化させるものである。AWSは分析、テスト計画、リファクタリングを自動化することで、停滞しがちだったレガシー移行を予測可能なエンジニアリングプロジェクトへと変え、メインフレームをようやく現代のクラウド時代へと導こうとしている。