Anthropic、米国国防総省による供給網制限が限定的に
2026年3月31日 (火)
- •米国国防総省がAnthropicをサプライチェーン・リスクに指定し、Claude関連の特定国防契約に影響が生じた。
- •同社のCEOであるダリオ・アモデイ(Dario Amodei)は、制限が予想より軽微であることを確認しつつも、法的措置を検討中だ。
- •専門家は、外国勢力向けの安全保障法を自国企業に適用するのは、法の誤用であると主張している。
国内のAI政策を巡る地政学的緊張が高まる中、AIスタートアップのAnthropicは米国国防総省から正式に「サプライチェーン・リスク」の指定を受けた。ピート・ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官は当初、同社を包括的なブラックリストに載せる方針を示唆していたが、3月4日に確定した命令は、当初の懸念に比べると大幅に範囲が限定されたものとなっている。
同社の最高経営責任者を務めるダリオ・アモデイ(Dario Amodei)は、今回の制限が国防省との直接契約におけるClaudeの利用のみを対象としていることを明かした。これにより、民間向けや国防以外の政府機関での利用は維持される。Anthropicの主要な提供元であるマイクロソフトも、自社のクラウドプラットフォームや企業向けスイートを通じ、世界中の顧客が引き続きClaudeを利用可能であることを改めて認めた。
この摩擦の根底には、大量監視や自律型兵器への転用を防ぐための「ガードレール」を巡る方針の相違がある。Anthropic側は現行の法的要件を超える厳格な安全策を主張しているが、国防総省側はこれを軍の即応性を妨げるハードルと見なしている。現在、この膠着状態を解消するための具体的な交渉は行われておらず、当局は強硬な姿勢を崩していない。
処分の程度は軽減されたものの、Anthropicは法廷闘争の準備を進めている。法学の専門家は、本来は外国の敵対勢力によるインフラ妨害を防ぐためのサプライチェーン・リスク法を、米国企業に適用することの法的危うさを指摘する。この対立は、シリコンバレーの「安全第一」という哲学と、軍が推し進める迅速な技術統合との間に横たわる深い溝を浮き彫りにしている。