Amazon Bedrock、AIエージェントのドメイン制限でセキュリティ強化
- •Amazon Bedrock AgentCoreがAWS Network Firewallと連携し、ドメインベースのエグレスフィルタリングを導入した。
- •セキュリティチームは、AIエージェントの通信先をWikipediaなどの許可リストに登録された特定のドメインのみに制限可能になる。
- •TLS層でのSNIインスペクションにより、機密データの流出やプロンプトインジェクションによる有害サイトへの誘導を防止する。
Webアクセス権限を持つAIエージェントの運用には、深刻なセキュリティリスクが伴う。特に懸念されるのが、プロンプトインジェクションを悪用した機密データの外部流出や、攻撃者が指定した悪意あるサイトへの誘導だ。これに対し、Amazon Bedrock AgentCoreは、エージェントのトラフィックをAmazon Virtual Private Cloud (VPC)およびAWS Network Firewall経由でルーティングすることで、これらのリスクを構造的に管理する仕組みを提供する。これにより、開発者は厳格なドメインベースのフィルタリングを適用でき、エージェントの通信先を事前に承認されたアドレスのみに限定することが可能となった。
このソリューションの中核となるのが、TLSのSNI(Server Name Indication)インスペクションだ。これにより、暗号化接続が完全に確立される前に宛先ドメインを識別できる。組織は「デフォルト拒否」ポリシーを適用することで、公式ドキュメントや社内APIなどの許可リストに載っていない通信をすべて一括で遮断できる。これは、厳格な監査ログやネットワークの隔離が必須となる金融やヘルスケアなどの規制業界において、実用レベルのAIを導入するための決定的な解決策となるだろう。
また、基本的なフィルタリング機能に加え、ボットネットやマルウェアの配布元として知られる高リスクなドメインを自動遮断するマネージドルールも利用できる。さらに詳細な制御を求める場合は、Amazon Route 53 Resolver DNS Firewallを用いたDNSレベルの制限を組み合わせることも可能だ。このような多層防御のアプローチを採用すれば、万が一エージェントが不正なプロンプトによって「操作」されたとしても、インフラ層が強固な防壁となり、不正な通信を確実に阻止できる。