アリババ、画像編集を高速化するADE-CoTを発表
2026年3月3日 (火)
- •新フレームワーク「ADE-CoT」は、タスクの難易度に応じて計算リソースを動的に割り当て、画像編集を最適化する。
- •標準的な手法と比較して、高い視覚的品質を維持しながら2倍以上の高速化を実現した。
- •理想的な編集結果が得られた時点で処理を即座に終了する、適応的な「適宜停止」メカニズムを採用している。
アリババの研究チームは、AIによる画像編集をより高速かつ精密にするための新フレームワーク「ADE-CoT」を発表した。近年、生成時にモデルへより多くの計算時間を与える「テスト時スケーリング」の進展により、テキストからの画像生成品質は劇的に向上している。しかし、これらの技術を画像編集に適用する場合、これまでは計算効率の低さが大きな課題となっていた。
ゼロからの画像生成とは異なり、編集は元の写真やユーザーの具体的な指示を尊重しなければならない「目標達成型」のプロセスである。ADE-CoTはこの点に着目し、難易度を認識するシステムを実装した。すべての要求に一律の処理能力を割くのではなく、編集の複雑さを推定して計算リソースを適切に配分する。これにより、単純なタスクでのエネルギー浪費を防ぎつつ、複雑な編集には必要なリソースを確実に投入することが可能になった。
また、このフレームワークには巧妙な「早期剪定」メカニズムが備わっている。特定の領域のローカライズや整合性のチェックを行うことで、AIは時間がかかりすぎる前に質の低い候補画像を素早く特定し、排除できる。そして、ユーザーの意図に完璧に合致する結果が見つかると、「適宜停止」機能によって即座に作業を完了させる仕組みだ。
最新の様々なモデルを用いたテストにおいて、ADE-CoTはBest-of-Nサンプリングなどの標準的な手法よりも2倍以上速く、かつ優れた結果を出力した。この進歩は、ハイエンドなAI編集ツールがより高性能になるだけでなく、エンドユーザーにとって大幅にレスポンスの良いものになる未来を示唆している。