AI、伝説のTurbo Pascalバイナリを解析
2026年3月21日 (土)
- •テクノロジーブロガーのサイモン・ウィリソン(Simon Willison)がClaudeを活用し、1985年製のTurbo Pascal実行バイナリをリバースエンジニアリングした
- •AIがマシンコードを注釈付きのアセンブリ言語と読解可能なロジックにデコンパイルすることに成功した
- •インタラクティブなArtifacts機能により、わずか39KBの歴史的ソフトウェアの内部構造が可視化された
テクノロジーブロガーのサイモン・ウィリソン(Simon Willison)は、最新の大規模言語モデルが持つ高度な推理能力を証明すべく、ソフトウェア史に刻まれた名作「Turbo Pascal 3.02A」の解析をClaudeに依頼した。1985年にリリースされたこの伝説的な実行ファイルは、テキストエディタ、IDE、コンパイラのすべてをわずか39KBという極小のファイルサイズに収めていたことで知られている。ウィリソン氏は、機械読み取り専用の生データであるバイナリファイルをAIに提供することで、古いマシンコードと人間の理解の間の溝を埋める手法を提示した。
解析プロセスでは、AIがバイナリの構造を探索し、特定の機能セグメントを特定するための複雑なプロンプトが段階的に実行された。続いてAIは、マシンレベルの命令をアセンブリ言語のような理解しやすい形式に変換するデコンパイルを実施した。特筆すべきは、AIが単なる翻訳にとどまらず、論理構造を注釈付きのコードとして再構築した点だ。これにより、40年前のソフトウェアが内部でどのように動作していたのかという明確なマップが示された。
ウィリソン氏は、これらの調査結果を提示するためにArtifacts機能を活用し、インタラクティブな可視化を実現した。これにより、元のバイナリセグメントとそれに対応する高レベルなコード解説を並べて確認することが可能になった。この実験は、AIが「デジタル考古学」の強力なツールとして機能する新たなトレンドを象徴している。開発者や歴史家はAIを通じて、現代の目には解読不能になりがちなレガシーソフトウェアを保存し、研究できるようになるだろう。