米政府、AI著作権保護の姿勢を強化
2026年3月12日 (木)
- •エミル・マイケル(Emil Michael)国防次官が、Anthropicによる大規模な著作権および個人データの窃盗を非難。
- •ホワイトハウスは、AIモデルに対し既存の著作権法遵守を求める2025年12月の大統領令の適用を強化。
- •学習データをめぐるテック業界のロビー活動に対し、連邦政府は厳しい姿勢へと転換。
エミル・マイケル(Emil Michael)国防次官による深夜のSNS投稿が、連邦政府とAI研究所の関係をめぐる議論を巻き起こした。現在は削除されている投稿の中で、マイケル氏はAnthropicが知的財産を尊重していないと非難し、同社を個人データと創作物の「泥棒」と表現している。この摩擦は、軍側が公開データベースへのアクセスを求めたのに対し、同社が制限を試みたことに起因する契約上の紛争から生じたものである。
この出来事は、AI規制に対するトランプ政権のアプローチの変化を浮き彫りにした。シリコンバレー側は、著作権の柔軟性を国家安全保障上の不可欠な要素として訴えてきたが、ホワイトハウスは2025年12月の大統領令をあらためて強調した。この指令は、AI開発が既存の著作権法に準拠することを義務付けており、ウェブサイト情報の無断収集(スクレイピング)によってモデルを訓練する開発者が頻繁に引用する「フェアユース」の正当性に真っ向から挑んでいる。
テック企業の役員を務めた経歴を持つマイケル氏の批判は、業界の文化を熟知しているだけに大きな説得力を持つ。同氏が現在進行中の訴訟に言及したことは、海賊版データセットの利用に伴う潜在的な賠償責任を含め、AI企業への法的な圧力が高まっていることを裏付けている。こうした一連の動きは、これまでの規制の寛容さが終焉を迎え、人工知能が生成する合成メディアツールの拡張よりもクリエイターの権利を優先する方針へと舵を切ったことを示唆している。